LOVE GAME!2024夏。大久保公園。歌舞伎町のど真ん中でJSL、ジャパン・サマー・リーグのRECAP

column 34

go parkey的新宿夏の風物詩な”出来事”。それがLOVE GAME。NCAAデヴィジョン2のコーチ、マイクが主宰するJSL(ジャパンサマーリーグ)とコラボレーションした5月26日のリキャップ・コラム。グッドテイク&グッドシュート、ナイスボイス、ワンダフルリレーションシップと良いこといっぱいありましたが、今回は言語化しにくい雰囲気について、コラムを書けたらいいなとトライします。

Article_go parkey

Photography_Kenji Nakata

We are playground basketball residents like pikeys!!!

前回コラムの愛しい影武者たちと会場設営をしているときのことです。太陽はもうすぐ南中高度にさしかかり、日差しが初夏というより真夏な感じになっていました。影武者が嫌が上にもお天道様が見つめる白昼堂々のステージにあぶり出されていたと言ってもいいかもしれません。コーチ・マイクとやってきたプレーヤー(3x3リーグでも活躍する)Y.Bが早めに来てしまったキッズとセッションしていました。興味が湧いたので、彼に声をかけたのですが、彼はこう言いました。「僕らはプレーしにきたけれど、マイクと同じで僕らがそうしてきてもらったように、キッズとできるかぎりセッションしてバスケのことを伝えたいんだ。それが大切なミッションなんだよ」。私たちだって頭ではよく理解していることでしたが、実際に、ゲーム前のプレーヤーとして準備したいことがたくさんあるときでも、キッズとのセッションを実践し大切にすることはなかなかできません。どうしてもプレーヤーの中のプライオリティがある。しかし、Y.B、そして、その後やってきたローマンたちは公園バスケのストーリーをキッズとシェアしていました。他人事ごとのように(良い光景だなぁ。良い瞬間に立ち会えてるなぁ)と眺めていました。そしたら、影武者、中田君がしっかりそんな瞬間を撮影してくれてました。

クリニックには100名近いキッズが参加してくれました。そのキッズに帯同してくる父兄のかたも大変です。真夏のような日差しはひとしく誰も彼もにスポットライトを当てて、いや当てまくってくれます。そこでバスケを実際にする人も、見に来ただけの人も、どちらも同じです。公園バスケの1日を共有し、スキンケアの天敵である天の恵の太陽光線を浴びて、エモーショナルかつハッピーにアートコートで遊ぶLOVE GAMERSなのです。そんな感じのワシャワシャとした賑やかな光景と、公園の外のディープ・セントラルな歌舞伎町の喧騒のコントラスト。このコントラストが、良い意味のメルトダウンをして、エリア一帯が熱気に包まれてる頃、LOVE GAMEはスタートしました。公園の外から道ゆく人が足を止めて、アートコートとそこでファンクするLOVE GAMERSを眺める後ろ姿とか、グッときます。一瞬足を止めて、この光景の当事者のひとりになって、また自分の用事を思い出し先を急ぐ。それだけでもいいのです。そういうクロスオーバーの繰り返しが熱気を生み出します。さらには、フェンスの外から中へ。アートコートの上に立ってくれる人も増えてきたら、これは実に興味深いステップアップになります。公園内外のアートコートへの視線。これがいいですね。

アーティストのFATEがこのコートをリノベーションするとき。私たちと話して、実際にこの歌舞伎町を昼間に散策し、夜に徘徊して感じ取った雰囲気。そこから、何が必要で、どんな色があったらいいのか、どういったメッセージを込めたらいいのか。そういったものを自身の作品に浸透させて描いてくれたのが、現在のガチのアーティストによるガチのアートコートです。go parkeyインスタでは先に書いてましたが、今からしばらくは、アートコートをプッシュする私たち的にはあまり美しくない言語要素の『ガチ』という言葉をあえてgo parkeyの公用語として使うことにしました。これは、レシーバー(受け手)によりわかりやすく伝わるようにという願いがあります。アートといっても、模倣とかテンプレからのイラレでデータ起こしみたいなものとは一線を画し、自身の作家性と人生を懸けてそこにすべて捧げるアーティストによる芸術をアートと言うのですが、そういう違いがいまいち判然としないのが、良いところでもあり、やっぱり残念なところでもあります。そこで、ガチという前置詞をつけたくないけど、しばらくはつけることにしました。そうです、私たちがリノベーションした(する)アートコートは、ガチのアーティストによるガチのアートコートです。それをみなさんが踏みつけ、躍動し、思いきり遊んで完成となります、素晴らしい美術館に所蔵されるレベルのガチのアートが踏みつけられてこそ完成し、ガチのアーティストが目を細める。そして、そこで繰り広げられるLOVE GAMEや日常にビジーでもレイジーでも道ゆく人が足を止める。そこまでをレシーブできる人が着実に増えてきている実感があります。これは本当に嬉しい出来事です。

今回のキッズクリニックは、go parkeyでおなじみになったRICKYをコーチに迎えて行いました。RICKYはgo parkey代表のABともNYCで一緒に公園バスをしたり、彼単独でストリートバスケのスピンシティで遊びたおしてきた経験の持ち主です。当然、スキルやテクニックだけでなくファンダメンタルもバッチリなんですが、それ以上に公園バスケでリードしてくれるときは、公園バスケでワッツアップ!したときに、「初めまして」の人とも一緒になって遊べるスキルや、ポジティブなアティチュードやメンタルをメインに教えてくれます。そんな彼も、今回のマイク、前年ではプロジェクト・バックボードのシェルトンといったゲストコーチとの当日ダブルブッキングで即興Wコーチ・スタイルでやることになります。キッズだけでなくコーチも「初めての出来事」を経験するのがLOVE GAMEの醍醐味です。常に予定調和にいかないストリートのテンションを運営側もはらんでいるのです。だから楽しいです。そんなことをRICKY本人に聞いてました。実際はやりにくいのではないかと。「こっちも刺激を受けるし、違うアプローチ方法を吸収もできるし、その上で自分が教えてあげれることがはっきりとしてくるから、楽しいです。好きですね、このやり方は」という、さすがのジ・アンサー。コーチ自らが目の前で実践するフレキシビリティーが、レシーバーであるキッズに伝わっている雰囲気がまたLOVE GAMEの楽しさのひとつではないかと思っています。

現代社会は、SNSの大々的浸透により、全員がオーガナイザーになりました。みんな発信することができるのはとても良いことです。個人でミックステープをつくってもいいですし、何かを吐露したっていいわけです。それと同時に願わくば、私たちも含めた全員がレシーバーとしても、感度を上げていけたら良いなあと思っています。発信するのと同じか、それ以上に、ストーリーやアートなどを受信する力を、go parkeyは今一度しっかりと磨き上げていきたいと思っています。そうすれば、すなわちgo parkeyの発信することによりしっかりとレシーブしてくれる人が増えていくことに繋がるのだと思うからです。アートコートの上で、Y.Bとセッションしていたキッズがレシーブしたものは、彼の自分史に残る出来事になるかもしれません。そんな風にアートコートでの出来事はいつだって、私たちにメッセージをもたらせてくれます。だからこそ、もっともっとアートコートでリノベーションできたら、LOVE GAMEが増えて、LOVE GAMERSが増えて、そこにストーリーを共有できる人々とのコラボレーションが増えて、セッションするキッズや街の人(道ゆく人)が増えて、良い光景が続いていく。続いていけば、未来はもっと楽しい。それをコーチのマイクやY.Bのようにミッションと言ってもいいでしょう。私たちgo parkeyは、それをストーリーというのがやっぱり好きです。これもレシーバーとしての自らが抽出した答えです。とにかく、今回のLOVE GAMEは、これからさらにプッシュしていく雰囲気に包まれていました。美しい光景の連続でした。

追伸、JSLのゲームサマリーについてはインスタの動画コンテンツにアップする予定です。

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THROWBACK,2023年、吉川アクアパーク。コラボプロジェクトの結実。

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