LOVE GAME!2024夏。大久保公園。歌舞伎町のど真ん中でJSL、ジャパン・サマー・リーグ・コラム。『影武者 その2』

column 33

go parkey的新宿夏の風物詩な”出来事”。それがLOVE GAME。新宿租界、歌舞伎町のど真ん中。ディープサウスならぬディープネオンの超絶ケイオスな街のプレイグラウンド。それが大久保公園。通称KDパーク。もしくはFATEパーク。この多種多様な喧騒の中で、今夏のLOVE GAMEは、NCAAデヴィジョン2のコーチ、マイクとコラボレーション。今回はそのジャパン・サマー・リーグについて、裏go parkey的視点で書く、影武者コラム。その2。

Article_go parkey

Photography_Kenji Nakata

We are playground basketball residents like pikeys!!!

前回の続き。LOVE GAMEに(良い意味で)忍び寄る影武者の存在。まあ、影武者の最後に書くべきな存在を先に書いてしまえば、それはこのアートコートをつくってくれたケビン・デュラントとNBAゲーム2Kの両ファンデーション。そして、工期中、施錠した後も、毎夜ひとり残って描きあげていったアーティストのFATE。そして、そのあと一緒にペイントしてくれたり、ここに来てプレーしたり遊んだりクリニックを楽しんでくれた人々。ザッツ・イッツ、それがヘッドライナーであり影武者でもある。それを踏まえた上で、今回の1DAYのマイクのJSLと共催したLOVE GAMEに関しては、(さあ、遊びの時間だ、オーイエィ!)な雰囲気をつくってくれたDJ YOUさんという影武者について触れておきたい。黒沢明監督が、映画『影武者』において、突然降板した怪優・勝新太郎さんに変わって主役に抜擢したのが、仲代達矢さん。彼のクレジットがあるだけで、その作品は、チケット購入前からレビューを見なくとも一定の安心感があると言われる名優です。

go parkeyのLOVE GAMEと代表AB自らマイクを握るMCのムードをつくるDJは、勝新太郎さんでも仲代達矢さんでも、とにかくハッピーで時々エモーショナルにしてくれる存在。これまではピエールとYOUさんの2人の影武者がそれを担ってくれてます。そして、今回はYOUさんです。YOUさんは、NBAアリーナな匂いのHOUSE OF PAINの『JUMP AROUND』をかけたと思えば、90年代をフルプッシュした世代に響くBEASTIE BOYSの『SURE SHOT』なんていう隠れた名盤をかけて、そのあとにILLITらの最前線韓流アイドルの新譜を放り込んだりしてくれます。そういえば、東京オリンピックの3x3のコートサイドでも、国内3x3リーグのEXEのコートサイドというか砂かぶり席でも、ハッピーにプレーヤーやオーディエンスのファンキーDNAを奮わせていたのがYOUさんでした。go parkeyでは、そこに競技性より公園バスケとアートコートのより自由度が溢れるLOVE GAMEになります。現場のムードと、MC ABのハッピー加減を見誤ることなく、連弾してくれるのです。

そのうち、クラシックやフジコ・ヘミングやリュウイチ・サカモトへのオマージュのような楽曲でセレブレーションしてくれるかもしれない。そんな期待もしてしまうくらい、YOUさんが真っ先に自由でその場を楽しんでいるのです。既成概念やセオリーよりライブなクリエイティビティ。まさにgo parkeyの求める姿です。いつもブース設営に手こずり、イスも出さずに待ちぼうけ。終われば、真っ先に電源落としてテントを撤収される。ほんとにホスピタリティが欠落している進行で、なかなかちゃんと言えてないので、超私的ながら、DJという影武者にも『ありがとうございます』と書いておきたいのです。もちろん、DJはヘッドライナーのひとりであって、影で武者震いしている人ではないのですが、裏go parkey的角度でいう、大事な影武者のひとりなのです。そして、go parkeyでは常に記録をしてアーカイブすることを大切にしています。それはプロジェクトはコートが完成して終わりではなく、そこでいろいろな有効活用をしたり、メンテナンスをしたり、どうやってできたのかを物語ったりと、プロジェクトというよりはストーリーとしてとらえているからです。グローバル視点で見て、まだまだ日本にはアートコートがありません。公園のプレイグラウンドがそもそも少ないです。

だからこそ、もっとプッシュしていくためには、ストーリーを共有してもらうことが大切です。プレーヤーにもキッズにも公園を訪れるさまざな人にも。そして、公園を管理・運営する自治体の方にも。go parkeyをストーリーテラーするためのフォトグラファーとフィルマーが欠かせません。完成図の全貌を記録するにはドローン・フォトグラファーも欠かせません。それらにポジティブにジョインしてくれるのが、中田さんとジェレミーさん、奥山さんのメディアクルーです。LOVE GAMEな現場、ペイントしている現場。そこには必ず彼らのカメラがあります。彼らは影武者の中の影武者。撮る側であるから、被写体として表に出ることはほとんどありません。しかし、その場にいないということは絶対にありません。このタイプの影武者には、今度は自分に近すぎて、なかなかちゃんとお礼が言えません。そんなふうに、齢をとってるくせに照れてるとか、可愛くもなんともなくて、面倒臭いだけです。なので、ここでしかりと、超私的ながら、メディア・クルーという影武者にも『ありがとうございます』と書いておきたいのです。

たった1DAYのLOVE GAMEでも、go parkeyにとって得がたい影武者たちは、他にもまだまだたくさんいます。リッキーとともにコーチしたりいろいろアシストしてくれてきたUGさん、ジュンタロウさん、シュンペイさん、ダイチンさん、シナノさん、ショーマさん。それにマサルさん、ジェゼさん、ウスイさん、藤枝さんと工藤さん、皆勤賞のジンさん……本当だ、自分で書いていてキリがありません。どこでどのように影武者がいてくれて、何かをしてくれているのか。それは、まさに影武者なことなので、我々が知らない存在も多いでしょう。たとえば、ペンキ代を上乗せしたショーツを人知れず購入してくれた人もいるし、それとなく買ったTシャツを着てプレーしてくれている人もいる。そういう、イカした影武者たちがいます。go parkeyが、これからどれくらいアートコートをリノベーションして、オープン・ザ・ドアしている公園を物語っていけるのか。そのチャプターを読みたい(見てみたい)影武者たちがいてくれます。やりたいからやっているのですが、本当にやり続けるだけですね。LOVE GAMEもアートコート・リノベーションも。今回のLOVE GAMEを終えて、改めてそう思うのでした。すべての影武者たちに、心からありがとうございます、そしてまだまだストーリーの続きを楽しんでいきましょう。と書いて、影武者コラムを終わります。

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