ニュー・アートコート!!埼玉吉川アクアパーク。10月9日オープニングヲ迎エマス。
column 024
夏が過ぎて秋が来ると思いきやまだまだ暑いオン・ザ・コート。埼玉県吉川市にあるアクアパークでgo parkey通算4つ目のリノベーション&アートコート・プロジェクトが進行中。オープンデーとなる10月9日までは絶賛作業中につき使用禁止ですが、その絶賛汗かき中のグラウンドワークについてのコラム。
Article_go parkey
Photography_Jeremy Renault
We are playground basketball residents like pikeys!!!
このコラムのタイトル写真。それは2016年3月に撮影されたものだ。場所は、現在ペイント真っ最中の吉川市アクアパーク。撮ったのは、ballaholicディレクターでフォトグラファー、そして元祖F’squad(チーム)のボーラー、TANA。この写真は彼のファースト写真集『BALLAHOLIC 2014-2019』に収録されている。彼の写真集のイントロで、「良い写真は作品であり、それは10年後には貴重な記録にもなる」と書いた。それを書いた本人がこのコラムを書いているのだから間違いはない。7年前にTANAによって撮られたアクアパークは彼の作品となり、今は貴重な記録になろうとしている。アートコートへと生まれ変わってしまう(良い意味でね)この場所の在りし日の光景をフルカラーで伝える貴重な1枚だ。もう少し説明しておくと、この写真は、F’squadのボーラーだったAB(現go parkey代表)やTANAが音頭をとって、ゲリラ的に行われたピックアップゲームのときのものだ。その名も「STREET BIBLE」。
話を今に戻そう。アクアパークは、スケートパークが併設された公共の多目的公園である。さらには豪雨で川の氾濫が危惧されるときは、市民を守るための貯水池になる。長年、地域に貢献してきた結果、公園の劣化はいかんともしがたく、今回のリノベーションへと繋がっていったのだった。アーティストについては今後コラムにするから、それを待ってほしいが、go parkeyはキュレーションから、グラウンドワーク、そしてペイントと作業を進めていった。今回はトピックスの1つに、その作業をアメリカのリノベーション団体、プロジェクト・バックボード(以後PB)と共同で行ったということだ。というか、PBに喰らいついて作業をがんばったということだ。彼らがコートそのものにだけでなく、我々に与えてくれた良い影響は、有形・無形どちらも合わせて、かけがえのないものとなった。中には日本では手に入れることが絶対にできないツールなどもあり、それも提供してもらった。
今回のプロジェクトの実際的作業のリーダー的存在はサム。寡黙だが、ひたすら集中して作業全体、バスケ的に言えばフロア全体を掌握し、タクトを振るうポイントガードもしくはコンボガードのような人物だ。それに、張り付いて血と肉にしようとがんばったのが我々の代表AB。F’squadのときは、求められてなくても打ち続けるメンタルの持ち主で、ボースハンドのダンクもかます生粋の公園バスケ野郎だった彼。それが今ではガードのような冷静さと集中力を養おうとしている。go parkeyがアートコートでカルチャーが自然に育まれていくことを信じているように、我々は人間は何歳からでもポジションアップ、成長できると思っている。ABはそれを実践的な活動で体現しようとしている。サムがポイントガード、もしくはABとのコンボガードなら、メキシカンのエドウィンはスピードと非常に高いFG%を兼ね備えたエース・フォワードだ。ペイントする技術と迅速さ、そして体力は素晴らしい。
ぶっちゃけて言ってしまうが、日本のプロと自称する業者さんより断然に早くて無駄がなくて美しい。さらには作業後のゴミやムラなどが少ないので、行程全般にわたる美意識が高い。キャラクターはクレイジーだし、LAのサウスセントラルがホームタウンだから、ギャングスタなタギングとかも好きだし、最高に面白いやつだけれど、自分のポジションに対するプリンシプルは圧倒的だ。これにD.O.Y(ディフェンシブ・オブ・ジ・イヤー)でチームのボトムラインを支えるのがドリュー。彼はバスケもフィジカルが強いし、グラウンドワークでも高いファンダメンタルでサポートしてくれる。そして、もうひとり。シェルトン。190cmあるかないか、ABと同じくらいのサイズのこのザ・コーチは、PBのメディア担当だ。彼はNCAAのデヴィジョン1の大学でポイントガードとしてバリバリにプレーしていた。レイアップは迷わず全部ダンク。シラキュース大学で全米チャンピオンになったカーメロ・アンソニーともマッチアップしている。
そんな経歴の持ち主の彼だって、もちろんペイントの作業もする。これはgo parkeyと同じ理念で、一人二役どころか何役でもこなすタフさとクリエイティビティが大切だ。そうすれば無駄に人員だけが多くて、ストーリー(理念やキッズのためのプロジェクトの目的)がブレたり薄まったりするのを避けることができる。代表のABだろうが我々だって、なんだってやる。ペイントもするし撮影もするし、重いペンキや砂袋も運ぶし、MCだってプレーだってなんだってする。これがスタイルというか、アートコートを増やしたいのだ。作業中や作業後、コチコチに固まりそうな体の負荷をとるために、シューティングや3on3をやったりしている。これがアートコートをリノベーションするPBやgo parkeyの特徴のひとつ。休憩がわりにバスケをするのだ。そんなときもシェルトンは抜群にうまいのだけれども、他のメンバーもみんな負けず嫌いだし、LOVE GAMERで面白い。もちろんABも。フィジカルでガンガンにいく。コールはなし。最高。
そうやってから、またグラウンドワークに戻っていく。今回のコートはサイズもあるし、アーティストが描き下ろしてくれた作品がまた繊細さと大胆さが調和していてすさまじい。しかし、このチームなら美しいアートコートに仕上げることができるはずだ。あれ? もっと人員はいないのかって? もちろん我々の理念の1つである、コートへの帰属意識をコートを使うキッズに持って欲しいということで、地元のキッズやペンキ代込みのショーツを購入してくれたファミリーのキッズなどにもペイントしてもらう機会はあるのだけれども、あとは、PBの4人と、go parkeyの2人、合計6人のロースターだけでフルゲームをやりぬくのがスタイルだ。作業は完成度で言うならば、多ければいいってことじゃない。コートが完成した後に、多くの人が使いまくって遊びまくってくれたらいいだけだ。今回は10月9日にローンチ。それまでガシガシ、このロースターでやりきるだけだ。
ちなみに、出来たてホヤホヤの10月9日は、セレモニーとキッズクリニック、キッズ・ピックアップの後に、オープン参加のピックアップゲームをやる予定。新宿・大久保公園の夏のナイトリーグ『LOVE GAME by go parkey』からの余韻を漂わすLOVE GAMEである。今回は、7年前にこの場所でパイオニア的に公園バスケを仕掛けたF’squadの「STREET BIBLE」のオマージュ。リニューアルのスタートにこれほどうってつけのストーリーはない。ということで、KTAやUGやKATSUOやOGTや、もちろんABなどのF’squadのエレメントどもをコアに回しながら、いろいろな人がジョインしてくれたらいいと思っている。ネームバリューとかマウントとか、そんなもの要らないし知らないし、草の公園バスケだから大丈夫! きっとPBのシェルトンたちもジョイントすると思う。別件撮影中のTANAも間に合えば、7年前と同じアングルで、当日の光景(次の10年後の記録として)を撮影したいと言ってたっけ。とにかく、なんでもいいけど、新しいアートコートがもうすぐできるので、それがとても嬉しいというコラムでした。